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新居浜

文化

2018.05.19

山田社宅 保存工事始まる

288号3ページ

2020年以降の一般公開へ

住友城下町そのままに


“住友企業城下町”の趣が残る新居浜市星越町の「山田社宅」跡。

 市はこのほど、山田社宅の保存活用計画を策定する専門家による「策定委員会」の初会合を開き、可能な限り現状保存を基本として、今年度中に策定し、2020年以降の一般公開を目指すことになりました。

 山田社宅は1929(昭和4)年、住友別子鉱山常務だった鷲尾勘解治が、約18ヘクタールの用地を造成し幹部社員用社宅約250戸を建設。北東部に選鉱場、玄関口に鉱山鉄道の「星越駅舎」を設け、最盛期には約1000人が居住していました。

 当時理想の田園都市構想「職住分離」の社宅群と言われ、生垣に囲まれた平均330平方メートルを超える一戸建て住宅が連なっていましたが、老朽化等に伴いこれまでに大半が取り壊され現在約30戸が残っています。

 新たに住友金属鉱山、住友化学から寄贈を受けるのは、同社宅群西側にある鉱山所長宅、化学工場長宅、西洋社宅東棟と西棟の4棟で、既に住友共同電力から受領し随時公開している同社長宅、同監査役宅の東側に隣接しています。

 銅山所長宅は、昭和初期に建造された延べ床面積347平方メートルの木造平屋建て3棟(茶室と洋風の応接室が別棟)で、昨年、耐震補強等の工事に着手。化学工場長宅は1935(同10)年建設の同269平方メートル木造平屋建て、今年度中の工事着手を予定しています。

 西洋社宅東棟、西棟は1930(同5)年に、外国人技術者用に建設された木造2階建ての洋館2棟(東棟・同318、西棟・同300平方メートル)で、広い玄関ホール、サンルームやテラスが特徴的なモダンな建物です。

 保存活用計画策定委員会は今年度、これら社宅4棟と同エリア中心部にある駐車敷地などを含む全体の保存活用計画を策定し、端出場地区から広瀬歴史記念館、別子銅山記念館など別子銅山近代化産業遺産を連動させた観光ルート等の充実を図る方針です。

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