…… TOPICS 詳細 ……


新居浜

文化

2018.05.19

60歳で小説初出版 朝霧 さん「やればできる」

288号2ページ

増刷も決定し大反響

新居浜市出身で今治市在住の朝霧葉(本名/湯山睦子)さんが60歳にして、処女小説『君は愛されるため生まれた』を4月1日に文芸社から出版。すでに増刷が決定し、反響を呼んでいます。

 同作品は、青春時代の恋愛を中心とした純愛文学で、朝霧さんの出身地、新居浜市を中心に、今治市や松山市も小説の舞台。読者からは「処女作とは思えない」「主人公の気持ちや行動には、愛の美学が滲み感動が湧く」など続々と、朝霧さんの元へメッセージが届いています。

 朝霧さんが、小説を書き始めたのは3年前。そのきっかけは、交通事故で重傷を負い、寝たきりの生活が続いていた時でした。テレビでサッカーの「東アジアカップ2013」の最終戦を見た時、柿谷曜一朗選手が鮮やかな2ゴールで、優勝に結びつけた姿に感動。柿谷選手に、元気と生きる勇気をもらいました。

 当時、中学校の国語教師だった朝霧さん。「私も子どもたちに、やればできることを伝えたい」と小説を書くことを決め、原稿用紙600枚を、約1ヵ月間ほとんど寝ずに書き上げました。

 完成すると、朝霧さんの同級生で現在は、脚本家として活躍する、井川香四郎氏にアドバイスをもらおうと、作品を東京まで郵送。井川氏から「近道は賞を取ることだ」と言われ、懸賞に出すもことごとく落選しました。

 心が折れそうになり、諦めかけた朝霧さん。「絶対できる。私は絶対やるんだ」と自分を奮い立たせ、何度も書き直した作品を2年前の9月、文芸社に郵送。

 2週間後、当選の連絡をもらい出版に向け動き始めることに。トップ編集者、編集長と小説全体の構成など、幾度となく練り直しました。県内をあちこち取材し、300回以上書き直し、完成したのは今年1月でした。

 「人生そのもの人間の全容を表現できるのは、小説だけ」と話しています。

 また朝霧さんは5月27日、タオル美術館(今治市朝倉)で講演を行います。入場無料。13時30分開演です。

ページトップへ