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今治

イベント

2018.11.03

夢への羅針盤 FC今治 岡ちゃんに聞く

754号2ページ

「細部に全てが宿る」芸術もスポーツも同じ

 

今治で大きな夢に挑戦し続けているFC今治のオーナー岡田武史さん(62)と、市民の方が聞きたいことを話し合う特別企画。第6回は、書や歌で皆に元気や感動を与えている芸術家の親子、友近吾邑さん(70)と友近890さん(39)が芸術とスポーツの共通点や影響力などを話しました。



友近890 私は大学卒業後、1度はIT関係の会社で6年半働きましたが、仕事や人間関係で命を捨てようと思ったほど悩みました。人生どん底の時、流れてきた歌が馬場俊英さんの「スタートライン」でした。歌詞を聞いて号泣したらスッキリ。父も人を書で感動させていますので、私も好きだった音楽の道で生きようと親を説得し、脱サラしました。全国各地の福祉施設をまわり、今年で日本7周目になります。

岡田 スポーツ以上に、音楽の影響力は偉大です。音楽は世界中に拡がり、自分の体験を元にしたメロディーには、やっぱり言霊があります。

友近890 母を高校の時に亡くしました。母に贈ったオリジナル曲「生きてゆく」を施設で歌うと、感極まり涙を流す方もいます。想いを言葉にのせ伝えることができ、母も天国で喜んでくれているかなと思います。また人を書で感動させてきた、父の生き方を尊敬しています。父のように人生を楽しみながら生きたいです。

岡田 仕事もそうですね。FC今治の理念のひとつに、エンジョイがあります。サッカーも楽しいからうまくなる。FC今治は楽しさを忘れていました。

 共に夢をみたいと私の元にきた社員を幸せにしたいと思っていたが、私は社員に仕事を丸投げ状態。責任だけを与えていました。全体的に覇気がなく、社員全員が目の前の仕事に必死でボロボロでした。そんな状態で会社は3周年を迎え、社員全員の前で話した時、人生で初めて人前で泣きました。現実と理想がかけ離れすぎて悲しく、またくやしくて言葉も出なかった。

 今は少し、楽しく仕事ができ始めた気がします。まだ大変だけど。

友近吾邑 私はずっと書一筋です。書家だった父に4歳ごろから書の手ほどきを受けてきました。65年以上書き続け、文字に大切なのはバランスです。例えば、便せんに漢字とひらがなの両方を書くなら、漢字とひらがなは85の割合が美しい。漢字とカタカナなら84です。全ては調和です。ただ論理だけではできない。芸術は感覚的な部分もあり、文字1つひとつ、細部までこだわりますね。

岡田 サッカーも同じです。勝負の神様は細部に宿ります。小さなことに手を抜かない。監督時代はそれを口酸っぱく言ってきました。例えば、コーンのまわりを走れと言われたら、コーンの内側ではダメ。きっちりと外側を走らなければいけない。運は誰にでもありますが、運を掴み、勝負を掴むためには当たり前のことをきちんとできるかどうかです。

 たった1回でもどこかで手を抜く、その一瞬の気の緩みが結果を変えていきます。どんな小さな事でもルールをしっかり守り、確実に行うことが何より大切です。

 

 


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