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今治

生活

2018.12.08

全国初 「見えない痛みに理解を」

758号1ページ

「ハートのクロン会」会員募集

矢野さん設立し輪広がる



全身が痛む原因不明の病気「線維筋痛症」を患っている、今治市在住の矢野ユカさん(48)は今年8月、同じ病気の人や他の難病で悩みを抱えている人を、少しでも楽にしたいと全国で初めてとなる「ハートのクロン交流会」を発足し、県内外で話題となっています。

 

矢野さんは、同会を発足後、ブログやツイッターなどでこの病気の特徴や自身の症状などを発信しているほか、県内に住む同じ病気や他の病気でも悩む5人のメンバーらと、会える時にランチやカフェに行き交流を深めています。「少しの時間、まったりほっこりできるだけでも違います」と矢野さん。

線維筋痛症を発症したのは、4年前でした。最初は腰痛だけでしたが、身体全身に動く痛みを感じ始めました。足全体も重く違和感があり、病院や接骨院で検査するも異常なしと言われ、八方ふさがりの日々が5月続きました。

症状も改善されることなく悪化していったため再度、専門医の診断を受け、やっと線維筋痛症だと判明しました。「見えない痛みにずっと悩んでいたので、病名が分かっただけでほっとした」と当時を振り返ります。

線維筋痛症は、全身の激しい痛みだけではなく、光や音に反応し痛みを感じたり、頻尿、倦怠感など症状に個人差があるのが特徴。原因不明で特定しにくく、治療法も確立されていません。また難病指定になっていないため、何の公的援助もないのが現状です。

患者さんの中には、痛みのつらさやまわりの理解を得られず、孤独を感じ心に強いストレスを抱える場合も。矢野さんも発症当時、不安だらけでしたが、家族の献身的な支えや、その時期から飼い始めた犬「クロン」に癒され心が和らぎました。

「症状がひどく、痛みでどこにも行けない人もいます。誰かと繋がると孤独は感じないので、1人で悩まないでほしい」と矢野さんは話しています。


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