愛媛県議会議員の2期目に挑戦する本宮いさむさん。政治家として、高く翔び立とうとする彼は、地域の人々に支えられ愛されている。本宮さんの「人生の歩み」を関係者の皆さんから取材し、ここに報告します。
青年時代 早朝からコツコツ
野良仕事に汗流す
昭和29年、本宮さんは今治市桜井に生まれた。当時は今治地域もまだ、戦後の雰囲気を残し、誰もが貧しく車やテレビも無い時代。郷土の山や川に抱かれ、本宮さんも緩やかな時間の中で少年期を過ごした。
 この頃の本宮少年は、あまり目立たない、おとなしい子供だった。家は今治市の郊外で農業を営んでおり、農繁期や休みの日などは、早朝から働く両親を手伝いトマトづくりや野良仕事に汗を流した。
「一つの事にコツコツと打ち込むタイプ。目立たないが素直で根気のあ る子供でした」 (幼馴染み)
 この頃の夢は「野球選手」と、当時のどの子供も望む未来。政治家になるなど、ほんの露ほども考えられなかった。
 高校は毎日、列車で通いながらテニス部でボールを追った。勉強の方も、本人なりに一生懸命がんばった。
社会人第一歩 南農協で学んだ
地域の人との触合い
 卒業後は今治南農協(現JA越智今治)へ就職した。ここで約 10年間お世話になった。社会人の「いろは」から事務職、農家との交流など、仕事はもちろん大人としての第一歩を踏み出した。地元のお米を普及しようと友人らに米を売り歩くこともしばしばだった。農家との懇親旅行では、ユーモアたっぷりのガイド役を務めたこともあった。宴会の席では、人と人との触れ合いの大切さも学んだ。今思うと、地域の方々には、この頃から支えられていた。

青年団活動 地域の仲間づくりや
リーダーシップ養う
 地元・桜井の青年団を友人とともに復活させ、仲間づくりをしながら地域の活性化に努力。この頃から、リーダーとしての素質が花開いていく。地元のみならず、今治市 の連合青年団長、県の青年団連合会副会長を歴任。農協の仕事に追われながらも、重責をこなした。平日は仕事の後も夜中まで拠点活動。週末は松山の青年の家に行き、日曜深夜に帰宅する日々が続いた。
「本宮さんは青年団活動の頃から、性格まで変わったようです。縁の下で 地道なお世を話しながら、強いリーダーシップを身につけていきました」 (青年団の同僚)
 農協の仕事に誇りとやりがいを感じ、青年団活動にも追われて、若さを燃焼していた頃、人生で一つの転機が訪れる。
 当時、国政を目指して準備を進めていた村上誠一郎代議士との出会いだった。その政治信条やまじめな姿勢に共鳴し、支援活動を始めたのだ。しかし、それ以上、行動までも共にすると思っていたわけではなかった。
代議士秘書 苦労をともに
大きな夢つかむ
 ところが、村上代議士が初挑戦となった 58年の選挙が近付くにつれ、事務所に専任スタッフが必要となり、見込まれて本宮さんに白羽の矢が立った。
 始めは不毛の地を耕すごとく。努力も報われず村上氏(当時31歳)は落選。しかし、一つの目標に向かう若者らの情熱や連帯感は、大きな夢をつかむ。村上氏は61年に念願の初当選。その後、本宮さんは平成3年まで秘書生活を全うした。

市議会議員 行動力を発揮
群を抜く活躍
 地域の青年団活動。代議士秘書として政治の重要性にふれる日々。社会人となって18年。人生を振り返った時、本宮さんの胸にはひとつの決断があった。  そして、平成3年4月。今治市議会議員選挙に出馬を決め、見事初当選を果たしたのだった。
市議時代は新人とはいえ活躍には目覚ましいものがあった。開かれた市政を…、と当時では珍しいホームページの開設や、市議会や自分の活動を報告する「トマト通信」の発行で、持ち前の行動力を発揮。さらに、議会内でも新人でまとまった会派を結成し、その存在感を強烈に示した。
「市議時代は、水を得た魚のような活躍でした。相手を問わず、生活相談から何でも親身になって相談に乗っていました。新人議員の中でも群を抜いていました」 (同年代の支援者)
 平成8年、当時の県内12市の1・2期生80人を越える有志を募り「愛媛平成市議の会」を旗揚げ、初代事務局長の要職に就く。
県議会へ挑戦 努力の人、大学へ
県民が望む政治家
 人生にチャンスは3度ある、という。平成11年2月中旬、3期目の市議を目指して選挙準備中、突然知事周辺の方から呼ばれ、加戸県政を支援する地域代表が必要と、県議選の出馬要請を受けた。責務の大きさにに戸惑いながらも、本宮さんは今までの恩返しを決意した。
 現在、新人県会議員として4年が過ぎた。戸惑いは少し薄れたが正直、力不足も感じている。しかし、努力では誰にも負けない。政治家としての基礎知識や哲学を、さらに深く学ぶために昨年春からは、愛媛大学へ入学して、多忙な公職の合間をぬって学生らと机を並べている。
 今の日本社会、今治地域の抱える多くの問題に、本宮さんは心が傷み、やるべき事の多さを痛感している。
「本宮さんには期待しています。今こそ、心ある政治家の新たな発想と行動力で地域に変革をもたらすことを、県民のだれもが望んでいる。大衆の心のわかる人。それが本宮さんです」
(古くからの支援者)