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今治

文化

2022.03.12

今治から「現代の名工」に

848号1ページ

謙虚に素直に技磨く

30年来の友人同士が受賞

日本最高水準の技術者を表彰する「現代の名工」に、今治市から2人選ばれました。選ばれたのは、()創造園(朝倉上)の庭師、越智將人さん(63)と渡部鬼瓦(菊間町浜)の鬼師、渡部一馬さん(66)です。友人同士でもある2人。同時に名誉ある賞を受賞し、2人は歓喜と驚きで満ち溢れています。

 「現代の名工」に選ばれた越智さんと渡部さんは、30年来の友人同士でもある2人。

 年齢も近く、人生の転機や紡ぐ言葉も共通点が多く、その生き方や仕事に対する謙虚な姿勢などを詳しく紹介します。



(有)創造園 庭師 越智 將人さん(63

 造園工として県内で初めて選ばれた(有)創造園の代表取締役、越智將人さん(63)。

 生まれ育った朝倉の原風景を取り入れ、素朴さと計算された美しさを併せ持つ、風を感じる庭を作り出します。その腕は高く評価され、全国から依頼が殺到し、半年待ちも当たり前。石の置き方、木の植え方ひとつ、5㎝の妥協も許さないこだわりは、見る人を感動させます。

 造園に興味をもったのは高校生の時でした。アルバイトで造園業に携わり、短大で庭の基礎を学びました。転機は30代後半。仕事も順調だった時、ある雑誌の編集者から「こんな庭はどこにでもある」と一言。目指すものが違うと、気づかされました。「唯一無二の庭師になる」と覚悟を決めました。

 「限界に挑戦。諦めない」をモットーに、独自の技術を磨き上げ、常に新しい発想を求め、毎年海外に出向き建築物や自然を肌で感じ勉強。努力を惜しみませんでした。

 また京都や東京で庭の展示会を企画。展示会は大盛況で「自分の技術は全国にも通用する。間違いなかった」と確信。その姿勢は評価され、名誉ある第9回日本庭園協会賞も受賞しています。

 親方として指導も行っている越智さん。「次世代に受け継がれることが幸せ。今に満足せず今後も、自分の世界を切り開く」と話しています。


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