新居浜
イベント
2025.07.05
中山さん75歳で柔道世界王者 仲間の声に奮起し1本勝ち
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大会前、7針縫うも出場
「2025年日本ベテランズ国際柔道大会」が先ごろ、鹿児島県で開催され、新居浜柔道会一般の部(小川礼治監督)所属の中山仁助さんが、75歳から79歳の部に出場し、75歳で初優勝しました。中学2年から始めた柔道で頂点を制する夢を諦めず、60年越しに叶え喜びひとしおです。
同大会は国内外から柔の道を極めた強者が揃い、優勝するのは至難の業ですが中山さんは全ての試合、一本勝ちを決め切りました。
柔道を始めたのは中学2年生でした。抜群の運動神経をもち、陸上やサッカーなど部活をかけもちしていた中山さん。社会人になっても子どもの指導に打ち込んでいましたが40歳の時、一度柔道から離れましたが、62歳で再スタート。
新居浜柔道会一般の部は、小川さん(29)、重森敏行さん(65)、荒井良昭さん(50)と中山さんの4人でスタート。今では、20人以上の大所帯になっています。若手の育成にも力を入れる中、学生時代に中途半端で終わった試合もあり、8年前から同大会に出場。
出場するのは、全国で名の知れた選手ばかり。7回挑戦するも3位が最高。それでも中山さんは挑戦を続けました。大会の1週間前、練習で額を7針縫うピンチに、周囲は心配しましたが出場。
1回戦の相手は優勝候補でした。試合は2分間で争い、残り15秒で劣勢。その時、会場にいた小川さんの「残り15秒だぞー」の声に、気持ちが切り替わりました。集中力を高め、得意の足技「足車」で一本を取りました。
「練習で20代、30代の若者にも互角の勝負をする。すごすぎる」と重森さん。「仲間の存在が大きい。1人じゃ無理だった」と話す中山さんの夢は大会連覇と、さらなる高みを目指します。