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松山

生活

2025.11.15

真民さん記念館残して! 念ずれば花ひらく

85号3ページ

閉館論に反対の声

年間1千5百万円の赤字

 「念ずれば花ひらく」で知られる詩人・坂村真民の詩集などを展示する砥部町立の坂村真民記念館。赤字が続いているため経営改善計画を進め閉館論議も浮上しているが、「真民さんの詩は、日本人の心の遺産」と存続を求める声も挙がっている。

 真民(1909︱2006)は熊本県に生まれ、37歳で家族と共に四国に渡り、三瓶高校や吉田高校、宇和島東高校で教員生活を送りながら詩作「念ずれば花ひらく」や「二度とない人生だから」などの代表作は共感を呼び、「念ずれば」の石碑は海外を含め全国で1千碑を超えるなど真民を慕う人は全国に広がっている。97年の生涯で、弱者に寄り添い、癒しと勇気を与える詩は1万編に上る。

 真民の終焉の地、砥部町で2012年に町立坂村真民記念館がオープンした。当初の

入場者は年間2万3千人に上ったが徐々に減少、新型コロナの流行で閉館を強いられるなど、年間3千人台まで落ち込み昨年は4千人にとどまり、この数年年間1千5百万円の赤字が続いているという。

 今年1月に新町長に就任した古谷崇洋町長は、選挙戦で真民記念館の赤字を止め子育て支援に回すなどと訴えたため、存続を危ぶむ声も浮上している。

 こうした事態に全国の記唸館友の会の会員らから閉館を危惧する声も上がり「今の時代に、心の教育は大切。真民さんは人としてどういう生き方をしたらいいかを教えてくれる。記念館は絶対に必要」などの存続を願う声が続々と寄せられているという。

 記念館を管理する教育委員会は「財政健全化を図るためにも経営改善計画を進めている。記念館に関して広報誌でも現状を説明する予定だが、現時点で閉館か存続かなどの論議にはなっていません」と話している。

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