今治
イベント
2019.08.10
常盤HSクラブ「最後まで諦めない卓球を」
779号4ページ

愛媛で活躍する選手、育成
指導者の倉永さん
小学生卓球の全国大会に出場し続け、県内でも屈指の常盤HSクラブで、選手を高みにあげ、育てている人がいます。その人は、指導者の倉永忠さん(75)です。
練習前には一人ひとりが皆の前で自分の目標を発表し、やるべき課題を意識。練習する場面と遊びを取り入れながら楽しみも加え、緩急をつけた内容で選手らは確実に力をつけてきました。
今では強豪のクラブに成長しましたが、発足当時は試合でも全く勝てず、指導方法などでも様々な苦労がありました。同クラブは今治市の卓球を強くしたいと、今は亡き村上周利さんが当時、常盤小学校で校長をしていた倉永さんに依頼しました。
村上さんは卓球の師匠。倉永さんが日吉中と宮窪中で卓球を教え10年間、県大会の決勝で負け、準優勝が続いた時、「優勝できないのは選手のせいだと思っているだろう。悪いのはお前だと村上さんに一喝され、やっと気づいた」。
中学時代、キャプテンとして弱小チームを県大会出場まで引上げた経験があり、勝つ努力も嬉しさも知っていただけに、人一倍悩んでいた倉永さん。
自分を優先していたことに気づき、試合中選手を怒るのをやめた2年後の県大会では見事、優勝。村上さんから指導者のあり方を教わり、選手には全力で向き合ってきた倉永さん。クラブの卒業生が今でも、練習場に来るほど慕われています。
キャプテンの木下春翔さん(常盤小6・11)は「倉永先生の話を聞き、全員が最後の1球まで絶対に諦めず、頑張れるチームにしたい」と話しています。