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今治

イベント

2021.04.10

重度障がいの菊川さん 苦難打ち克ち聖火つなぐ

826号1ページ

スラローム競技で金メダル

脳梗塞発症もリハビリで克服



延期していた東京2020オリンピック聖火リレーが4月21日、市内で開催されます。市内を8人のランナーが走りますが、その一人、今治療護園(町谷)で暮らす菊川とも江さん( )は、生まれつき脳性小児まひ。車いすの生活ながら「重度の障がいがあっても、やればできることを皆に見てもらいたい」と現在、本番に向け準備を進めています。



菊川さんは3姉妹の末っ子として誕生。生後すぐ、脳性小児まひであることが判明しました。言葉は話せず、会話は合成音声が出る機械「トーキングエイド」。首はすわってなく、身体は不安定な状態。年齢と共に障がいは重くなり、小学校に上がると自力で歩けなくなり、以降ずっと車いす生活です。

それでも卑屈にならず、皆に優しく前向きな菊川さん。「母が妹にこんな身体に産んでごめんねと言ったら、彼女は自分を産んでくれて、ありがとうと言いました。とも江から、いつも教えられる」と姉で民謡歌手の今井由里さん(53)と成田美砂さん(51)。

菊川さんの人生は、挑戦の連続でした。ホノルルマラソンやスリーデーマーチにも参加し、エントリーしたコースを車いすで完走。東京ディズニーランドに行きたいと、飛行機に一人で搭乗したことも。4年前愛媛で行われた第17回全国障害者スポーツ大会では、障害物を車いすに乗りながら交わす「スラローム」に出場し、優勝しました。

障がいを理由に諦めない強い生き方に、家族やまわりは勇気づけられました。聖火リレーのランナーにも決まり、喜んでいた矢先でした。2年前の秋、菊川さんは脳梗塞を発症。手が上がらず指も硬直。聖火リレーも一度、延期になり走れるか不安も募りましたが、リハビリはやめずに続けました。

そして今春、聖火リレーが決定。菊川さんも家族も大喜び。「私と同じくらい重度の障がいのあるランナーはいないと思う。どんなに重い障がいがあっても、やればできることを皆に見てほしい」と菊川さんは満面の笑みで話しています。

聖火リレーのスタート地点は広小路。みなと交流センター「はーばりー」を経由し、今治城吹揚公園(通町3)がゴール地点になります。走行開始予定時刻は12時20分。


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