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今治

教育

2021.10.09

伯方分校 選び不登校克服

838号3ページ

三年間皆勤し、生徒会副会長務める

OG松下さん「通ってよかった」

卒業式で答辞を読む松下さん



 小学5年生から中学校までの約5年不登校になるも、今治西高伯方分校に入学後は3年間皆勤と、人生が変わった女子大学生がいます。その人は、今治市出身で現在、山口大学1年生の松下美穂さん(19)です。

 松下さんの身体に異変が出たのは、5年生の夏頃でした。朝になると耳鳴りや頭痛、腹痛と様々な症状に悩まされ学校を休みがちに。病院で診断を受け、起立性調節障害という病気と判明。家に引きこもりました。

 環境を変えようと、島にある同校を勧めたのは母の佳津美さんでした。当時、将来には不安しかなかった松下さん。「最後までは通わんよ」と入学式に宣言し、1日行ければいいと通ううちに、気づけば3年間皆勤。

 「学校がおもしろくて楽しかった。」1学年2クラスで皆仲が良く、失敗も受け入れる穏やかな空気、学力面も精神面も手厚い先生たちのケアに、松下さんは自然と変わりました。

 また生徒会に入り、地域での奉仕作業や月1回のラジオ出演など積極的に参加し、副会長も務めました。様々な年齢の人とも交流したことで、コミュニケーション能力も上がりました。「伯方に通って本当によかった。また母にはどんな私も好きでいてくれて、ありがとうと伝えたい」と松下さん。

 卒業後、母校の存続危機を知り、若者に人気のSNS「Tik Tok」に、自身の経験や想いをまとめ約40秒の動画を制作。母校の魅力もPRしています。「学校に行かないことは悪いことではないと伝えたい。同じ悩みで苦しむ人の力になれたら」と話しています。


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