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新居浜

教育

2024.06.01

岡城館(こうじょうかん) 江戸時代から続くメーン

433号1ページ

剣士の心得「人・ものに感謝を」

水害遭うも地域が支援



楠崎地区に江戸時代から200年以上続いている、有名な剣道道場があります。その道場は岡城館(楠崎1・新名博之指導長)です。平成16年、壊滅的な水害に遭いながらも地域の支えで復興するなど困難も乗り越え、今日も道場には「ヤー!メーン!」の門下生の声が響いています。



 岡城館は全国でも数件しかない、江戸時代から200年以上続く剣道道場です。建てたのは、西条藩が18世紀に開発した多喜浜塩田の管理役で、初代館長の藤田初右衛門さん。初右衛門さんは、剣道を通し人材形成を掲げました。塩田で得た利益で服や食べ物も門下生に与え、身分に関係なく優秀な人材が育ち、地域とも深い絆が生まれました。 

 2世紀経った今も、礼儀・作法・所作、ものや人に常に感謝と、相手を敬う気持ちを伝えています。また剣道で使う竹刀は刀と同じと考え、刀を正しく丁寧に扱うことを徹底し指導。そして生涯剣道がモットー。最高段位は8段ですが、7段から8段に上がるには10年の修行期間が必須で、一生を通した学びを常としています。

 そんな道場は昔から全国でも有名。多くの優秀な人材を輩出し、昭和15年には、昭和天皇の前で競技する天覧試合にも出場しましたが、伝統を守るのは苦労の連続でした。藤田家直系の指導者が途絶えたため、皆で支えようとNPO法人化し道場を管理。また平成16年には台風15号の集中豪雨で壊滅的な被害を受け、床が水に浸かりましたが県内中から寄付が集まり約2年かけ修復しました。

 幾度と試練はありましたが「200年前から続く心を途絶えないよう、伝統を守りたい」と新名さん(68)は熱く指導します。門下生募集中です。︎

[問]☎︎090・7961・3556(近藤)

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