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今治

文化

2024.06.29

ラヂウム温泉応急処置 今治の歴史 後世に伝える

903号1ページ

地震の被害を抑制


 国登録有形文化財「今治ラヂウム温泉本館」(共栄町4)は、4月17日に起こった豊後水道を震源とする地震の被害を受け、大学研究機関の専門家が、安全面を考慮した応急処置を行いました。同施設は、1919年に、浴場・映画館・ダンスホール・食堂などを備える「共楽館」として建設。創業者は大島出身の実業家村上寛造氏。レンコン畑であった湿地帯を開拓し、京町(現・共栄町)を形成するまちづくりの中で、娯楽場として開設したのが始まりでした。その後、1927年に浴場施設を「ラヂウム温泉」の名称で開業。1945年の今治空襲では奇跡的に焼失を免れ、中心市街地が消滅した中、一時的に自治体・銀行・病院などの臨時的な拠点となりライフラインの役割を担いました。
 2014年には休業・閉館しましたが、2016年に国の有形
文化財に登録。国内初期の鉄筋コンクリート造の特徴的なツインドーム建築など、現在に残る貴重な建物として研究者や建築ファンの注目が集まっています。
 同施設関係者は「100年を超えて戦前から残る今治の歴史と市民の憩いの場を何らかの形で後世に繋げていければ」と話しています。現在は外観のみ見学可能です。

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