新居浜
文化
2025.02.01
趣味の飾り幕太鼓台製作、プロ並みに
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新玉通り(西条)水引幕を担当
細部に魂込め高い評価
西条製作所 渡邉さん
趣味が西条のだんじりの水引幕を昨年手がけるまで、プロ並みの技を習得した人がいます。その人は新居浜市在住、(有)西条製作所(西条市飯岡)の渡邉洋平さん(43)です。細部まで魂を込めた、細やかな仕事に高い評価を受けています。
渡邉さんは勇壮華麗な新居浜太鼓台の飾り幕が大好きで、13年前から趣味で製作を始めました。きっかけは、所属していた土橋太鼓台の飾り幕の一部を修繕したことからでした。「人が作れるなら自分にもできるやろ」と独学で知識と技を猛勉強。近所にある太鼓台の飾り幕などを手掛ける株式会社金鱗(大生院)の代表、合田武史さん(58)にも縫い方などの技術を相談に何度も通いました。表現できることが増え、頭の中に描いた図柄が形になると、さらに楽しくなりました。
2年前に応募した「第7回鬼の造形大賞」では見事、最優秀の鬼北町長賞を受賞し自信になった渡邉さん。きめ細やかな表現や技術の高さは評判をよび、昨年は西条の新玉通り屋台の水引幕を約半年で手がけました。
その地区の歴史や伝統をとことん調べ、本職の製作所での技も応用しながら、完成したのはお披露目当日の夜中3時でした。最後の2週間ほぼ不眠不休でしたが、仕上げた力作を披露した瞬間上がった大歓声に、疲れは吹っ飛びました。「見やすい絵、絶妙なバランスの黄金比がある。限られた空間の中で最大限に表現したい」と渡邉さんの挑戦は続きます。