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今治

文化

2019.10.12

北洋漁業昭和初期の映像発見

785号1ページ

八木商店本店資料館で上映

サケマス漁や工場の様子も

工船蟹缶詰製造で日本一


今治市出身の偉大な実業家、八木亀三郎が経営した八木本店が操業を行った、昭和初期の北洋漁業を撮影した映像が見つかり、同資料館(波止浜2)で公開され、話題となっています。

見つかった映像は、約1時間20分。今年6月、同資料館を訪れた亀三郎の玄孫の楢原太郎さんから、VHSのビデオテープで提供されました。中には昭和5年6月1日から7月5日、タラバガニ漁の合間に、最大級の母船「神武丸」がカムチャッカ半島東岸のウス・カム湾で従事した、サケマス漁業の様子などが記録されています。

大正の終わりから昭和の初めにかけ、工船蟹缶詰製造で日本一の生産量を誇っていた八木本店。タラバガニ資源の枯渇から新たな試みとして、母船式サケマス漁業に亀三郎の長男、實通は着目します。

そこで大正15年度から試験を行い、昭和5年初めて本格操業しました。映像には、乗組員491人と船主の實通を乗せた神武丸がウス・カム湾へ向かう様子も。また母船から漁にあたる小船を海へ下ろしたり、綱を引き揚げ取れたサケマスを母船内で缶詰や塩蔵鮭に加工する作業など、一連の流れが収められています。

さらに、漁業だけではなく、漁夫が賄い飯を食べたり、当時では珍しいベルトコンベア、船上で相撲大会を行うシーンや、護衛する海岸の駆逐艦、漁を視察する實通の姿も残されています。

同資料館では、映像をDVDに複製した上で、映像制作会社と共に約15分に編集。BGMをかけ、地域史研究家の大成経凡さん(46)が解説を字幕で加えました。

大成さんは「母船式サケマス漁業の先駆者として、その第一歩を記録しておこうとしたのではないだろうか。北洋漁業の歴史から見ても貴重な映像だ」と話しています。

同館の入場料は1人1000円です。日・月・祝日が休館。10時から1630分。(最終受付16時)。観覧者は映像の鑑賞が可能です。

【問】☎415101


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